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投稿日:2023年10月17日

SAP専門知識を市場で評価されるようにどう伸ばしていくか

SAPエンジニアから社内SEへの転職

筆者は、現在30代半ばで、製造メーカーの社内システム部門で働いています。

年収は800万円ほどで、主な業務は社内のシステム構築のプロジェクトマネジメント、運用保守、社内システム構築時の要件定義などです。

転職2社目になり、前職まではSAPエンジニアとして、各業界でのSAPインプリを担当していました。今回は、その経験をもとに、なぜ転職にいたったか、転職において留意した点、転職してみてどうだったか、などの体験を皆様にお伝えできればと思います。

 

SAPエンジニアとしての経験

私は、新卒でSIerに入社し、配属時からSAPを担当しておりました。

はじめは、アドオンプログラムの開発者として、簡単なレポートプログラムを作成し、開発からテストまでの一連の開発業務の流れを習得しました。その後は、上流工程に移行していき内部設計や外部設計、アドオンの要件定義などを行っていました。

そこでの開発経験は、現在の業務にも非常に活かされていると感じます。

具体的には、社内システムの要件定義やプロジェクトにおいての課題解決にて「システムで実現可能かどうか」という判断を行うにあたって、やはり自分でプログラムを開発して作成していたという経験は、非常に役に立ったと実感しました。

現在、開発をやっていて、早く上流工程に行きたいと考えられている方においても、開発の経験というのは、今後の長いキャリアを見たときに、非常に役に立つものになると思いますので、ぜひ経験を積んでいただければと思います。

話が若干それましたが、筆者の話に戻りますと、アドオン開発を行った後に、SAPの導入コンサルとしてプロジェクトにアサインされました。

具体的には、先輩社員のコンサルタントのアシスタント的な立場として製造業のプロジェクトでサブコンサルとしてアサインされました。

要件定義フェーズから参画し、主な業務としては、要件を確定するための説明資料の作成、顧客との打ち合わせ調整、その後の各種ドキュメント(カスタマイズ定義書、業務フロー、設計書など)の作成、成果物をもとにしたSAP実機のカスタマイズやテストなどです。

モジュールは、COモジュールを担当しておりました。COというのは、SDMMPPやFIのデータが最終的にたどり着き、企業の経営層が意思決定を行うためのアウトプットを出すためのモジュールになります。

そういった意味でも、管理会計以外の業務においても広く理解しておくことが重要ですし、また管理会計は、企業によってレポートの形式は様々なため、顧客とのコミュニケーションをしながらどのようなアウトプットを出すのかを決めることが非常に重要になります。

そういった環境の中で、私自身のスキルとしては顧客との折衝能力や資料作成の能力、またSAP実機でのカスタマイズやテストを経て、ERPで管理する業務での一連のデータのでき方や業務のライフサイクルを学ぶことができました。ここで得た気づきとしては自分の担当領域だけでなく守備範囲を少し広げることで、より広く技術や知識を習得できるということです。

筆者の場合ですと、COモジュールというコアの知識習得もしつつ、テストデータの作成や業務の流れを把握するためにもSDやPPといったモジュールの機能を利用したり、どういった伝票が作られて、どのような業務がながれるのかを理解する必要がありました。そのため、自分の領域プラスアルファの知識を習得することができ、その背景があることによって顧客の要望をより深く理解することができると感じています。

まとめると、私のSAPエンジニアとしてのスキルとしては、アドオン開発を一通り行うことができ、SAPコンサルとしては、ジュニアコンサルレベルだが、モジュールとしては、ほぼすべてのモジュールと業務を広く理解しているというような知識レベルでした。

 

なぜ転職にいたったか、留意した点について

SAPエンジニアとしてのキャリアは順調に進んでいたもの、筆者自身、新卒で入った会社で働き続けるというイメージはできていなかったため、20代後半のときに転職活動を行いました。きっかけとしては、明確なものはなく、知り合いが転職エージェントに勤めており、会話の中で「登録してみたら?」と進められてエージェントとの面接を受けたことです。

こういったところに転職したいとか、こういう環境を変えたいという明確な意図は、なかったものの、年収アップや働く環境を変えたいという思いがありました。

具体的には、年収面でいうと前職は500万ほどであり、自分の中では、30歳で600万程度の年収を狙いたいという想いが漠然とあったので、それに近いラインを目安として転職先の条件を見ていました。

また、働く環境として、前職はERP導入という仕事の性質上、客先常駐することが多くかなり、遠方の客先や出張なども数多くありました。その中で働く場所が短期間で変わるということにしんどさを感じていたため、ある程度きまった場所で働くことのできる転職先が望ましいと考えておりました。

以上、二点の条件をエージェントに伝えたところ、社内SE案件をいくつか紹介していただき、3社ほどにしぼって転職活動を行うことになりました。

転職活動を行う中で留意した点としては、焦らないということでした。

具体的には、私の転職の場合は、どうしても「いつまでにやめて転職したい」というような強い思いもなかったため、転職をする場合に焦りというものはありませんでしたが、やはり働く先というのは、自分の生活やメンタルに大きくかかわってくるものだと考えていますので、焦って転職先をきめるということはやめて、条件や環境面で納得したうえで転職先を決定していただきたいと強く思います。

また、筆者の場合は、最初に担当したエージェントがSAPに関する知識が薄く、会話がかみ合わないこともあったため、途中でエージェントを変えてもらうということがありました。エージェントの方と二人三脚で行う転職活動においてはエージェントに対しての違和感や改善点などは遠慮せずに述べて、必要に応じて交代も申し出るなどしたほうがよいと思います。私の場合は、知人とのつながりもありエージェントは一社のみの登録だったのですが、可能な場合は、SAPに特化したエージェントや複数のエージェントに登録したうえで、並行して自分にあったエージェントや転職先を見つけることを考えていただければと思います。

転職の面接においても、いくつか留意点がありましたが、主に2点です。

一つ目は自身の専門分野を語れるようにしておくことです。これは、SAPエンジニアの転職としてSAPエンジニアの中でも開発やコンサルやベーシスなど様々な職種があります。その中で「自分はどういったキャリアで何をやってきてどこに強みがあるのか」、そしてそれを転職先の会社でどのように活用することができると考えているのか、を分かりやすく説明できることが重要になってきます。何か特化したスキルがない場合でもご自身のキャリアの中で何を重視していたか、どういった点に気を付けて仕事をしてきたか、目に見える技術的なスキルや資格以外でもアピールできるポイントは、多くあると思います。それらをご自身で振り返っていただき、自己アピールと転職先での貢献ポイントをつなげられるようになっておくとよいかと思います。

二つ目は自分の専門分野以外の知識も広く浅く見ておくことです。転職時の面接などでは、相手先会社の人事部長やエグゼクティブ層などと会話する場合もあります。そういった方に向けては、SAPのスキルに特化した話をするよりも、状況によっては、IT業界の潮流や最新技術について触れるような話をするほうが好印象な場合もあります。

詳細に語るとなると難しい部分もあるため、例えばSAPにおいても人工知能に関する取り組みを行っていますので、それらの情報をキャッチアップしておいてビジネスにおいて現在の最新技術がどのように活用できるのかといったことをイメージしておくと、役立つと思います。

 

転職先の決め手と転職後の感想

転職活動を行う中で3社の面接を受けました。ただ早々に1社内定が出てその企業が自分の条件である年収面と環境面においてマッチしていたため、その転職先に絞ることにしました。初めにも触れたとおり、職種としては、製造業メーカーの社内SEとしての仕事です。

転職してから現在までで4年ほど経ちますが、印象としてはおおむね転職してよかったと感じています。

具体的には2点あります。

一点目は意思決定のプロセスを学べたということです。社内SEとしてシステムを導入するために社内調整を行います。決裁書を起票し、上司に説明し、予算をとる必要があります。そういった経験は、SIerではできないため、企業内で「誰に何をどのように」説明すればよいかということを学ぶことができました。直接的なスキルではないですが、仕事をスムーズに進めるために、折衝やコミュニケーション、根回しといった作業は必要不可欠になってくることがありますので、良い経験ができていると感じています。

二つ目は、プロジェクトマネジメントに関われたということです。SIerに在籍したままだとプロジェクトの最も上流の一つであるマネジメント部分に関わるとなると、かなりの年数を経る必要があります。しかし、社内SEという立場となると必然的にベンダーコントロールやプロジェクトの管理報告といった業務に触れることになりますので、上流工程に係ることができます。自分自身プロジェクトマネージャになりたいという思いが漠然とあったため、今の仕事は非常にマッチしていると感じています。

今後は、今の会社で継続的に勤務するか、もう一度技術を全面に押し出したSIerに戻るか、独立してフリーランスとして仕事をしていくか、決めかねている部分はありますが、SAPエンジニアとしてのスキルを軸として社内SEに転職して、マネジメント工程に係ることでキャリアの幅が広がったと感じています。

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