投稿日:2022年4月7日
【大手コンサルティングファームより入社難易度が高い!?ベンチャーファームに受かる人とは?】
はじめに
SAPエンジニアおよびSAPコンサルタントが転職活動を始める際に、まず目が行くのが大手コンサルティングファームではないかと思います。
特にアクセンチュア、アビームコンサルティングなどは超大規模なSAP導入案件に強みを持っていますし、デロイトトーマツコンサルティングやPwCコンサルティングなどはSAP案件としてはさほど多くはないものの、最上流工程から経験を積みたい、SAP以外の案件も経験したいという方から人気を集めています。
基本的には、大手コンサルティングファームを複数受けてみて、その中から転職先を選択されるSAPコンサルタントの方が多いですが、一方で大手コンサルティングファームは一切応募せず、ベンチャーファームのみ応募している方も一定数いるのをご存じでしょうか。
ベンチャーファームの多くは、大手コンサルティングファームでマネージャー以上として活躍していた方が独立するケースが多いのですが、ネット上で調べても出てくるのは大手コンサルティングファームの情報ばかりであり、そもそもベンチャーファームの存在すら知らなかったという方も多いと思います。
それに、なんとなく大手コンサルティングファームのほうが年収が高く、キャリアアップにも繋がると感じてしまいますよね。
しかし、実際に蓋を開けてみると、ベンチャーファームには精鋭ぞろいのケースもよくあり、例えばとあるベンチャーファームでは、社員数こそ10名弱ですが、そのほとんどが大手外資系コンサルティングファームでシニアコンサルタント~シニアマネージャーとして活躍していた方で占めているというところもあります。
更に、そのベンチャーファームでは、大手外資系コンサルティングファームから転職にも関わらず、全員が年収アップでの転職を実現しているのです。
30歳で年収1000万円が平均値になるとのことで、条件面を見ればかなり優遇されていると感じますよね。
ただし、ベンチャーファームは大手コンサルティングファームより入社難易度が高いケースもあり、誰でも入社できるわけではありません。大手コンサルティングファームで内定が出ても書類で落とされてしまうことだってよくあります。
では、そのようなベンチャーファームに受かる人とはどのような経験やスキルを持った人なのでしょうか。
そこで今回の記事では、ベンチャーファームに受かる人と受からない人の違いについて解説しますので、是非とも転職活動において参考にしていただければと思います。
大手コンサルティングファームからベンチャーファームへ転職するメリット
本題に入る前に、なぜ大手コンサルティングファームで実績を残してきた方が、わざわざベンチャーファームへ転職するのかについてお伝えします。
先ほどご紹介した10名弱のベンチャーファームを例に挙げると、全員が共通して述べる入社理由が1つあります。それは携わることができる領域の広さです。
大手コンサルティングファームでは、インダストリーやサービスによって組織が明確に分かれており、基本的には特定業界、特定領域の案件に長く携わることになります。
仮にクライアントから違う領域についても話を聞いて欲しいと相談があっても、それを別のチームへつなぐ必要があり、自分でその領域に携わることはほとんどありません。
一方で、ベンチャーファームになると、一部特定領域のみを扱うところを除いては、基本的には様々なクライアントの案件に従事することができ、扱うコンサルティングテーマについてもかなり広くなっています。
その背景としては、ベンチャーファームの代表が大手コンサルティングファーム出身者であることが多く、先ほどもお伝えしたように、大手コンサルティングファームで携わることができる領域に限界を感じたことから独立したケースもあり、業界に縛られない働き方をしていることがよくあります。
したがって、コンサルタントとしての引き出しを増やしていきたいという理由から、敢えてベンチャーファームを選択するSAPコンサルタントの方が一定いるのです。
その他の理由として上がるのが、残業時間の抑制です。
実際に先ほどから紹介しているベンチャーファームでは、ほぼ全員が前職と比較して残業時間が半分以下になっています。
大手コンサルティングファームですと、案件が超大規模であるが故に、問題が発生したときのリカバリーには相当時間がかかってしまいます。その結果として、長時間残業が発生してしまうのですが、ベンチャーファームでは人数にも制限があり、超大規模案件を受注することはできません。
数ヶ月規模で終わる比較的中小規模の案件が多いため、問題発生時のリカバリーもしやすく、そもそも案件受注時にスケジュールが引きやすいことから、残業時間を抑制することができています。
もちろん、全てのベンチャーファームがそうではないので注意して頂きたいのですが、残業を減らしたいものの、コンサルタントとしてのキャリアアップも目指したいということであれば、ベンチャーファームを見てみるのもお勧めです。
では、そんなベンチャーファームが、なぜ入社難易度が高いのでしょうか?
ベンチャーファームはなぜ入社難易度が高いのか
ベンチャーファームでは案件こそ中小規模なものが多いとはいえ、即戦力として一人前のコンサルタントとして活躍できる方を強く求めています。
複数の案件を少人数で回さなければいけないので、じっくりとコンサルタントを育成している余裕があまりなく、案件によっては主担当として参画することも求められます。
育成する時間がないということは、既にコンサルタントとしての基礎が身についているだけでなく、提案資料の作成やリサーチ業務などもある程度一人で行えるレベルを求めることになるので、大手コンサルティングファームでも一定の実績を出している方でないと不採用になってしまう可能性があります。
また、ベンチャーファームでは、特定のことしかできませんという方はあまり求められていません。
業界に縛られずに様々な案件に携わることができるが故に、ゼネラリストとしての幅広い知見や経験を求められます。
大手コンサルティングファームであればインダストリーカットにより、専門性が高ければ高いほど良いのですが、ベンチャーファームで1つのことしかできないとなると、お願いできる案件が無いと判断されてしまい、それで不採用になってしまうことがよくあります。
実際に大手外資系コンサルティングファームにてAI領域一本で実績を積んできた方がベンチャーファームを受けた際に、現時点でAI案件の受注が無いという理由で不採用になってしまったケースがありました。(その方は大手コンサルティングファームで軒並み内定が出る経験をお持ちの方でした。)
一方で、ベンチャーファームで重宝されるのが、広く浅くでも良いので業界知見やテクノロジー知見を豊富に持っている人です。
つまり、ベンチャーファームに受かる人というのは、次のような要素を持っている方となるのです。
・コンサルタントとして独り立ちできており、主担当として案件を任せることができる
・特定領域のみならず、広く浅くでも良いので幅広い知見を持っている
この両方にあてはまるのであれば、ベンチャーファームでも内定を得ることができる可能性が高く、大手コンサルティングファームよりも高い年収でのオファーも期待できるので、是非ともベンチャーファームへ挑戦してみてはいかがでしょうか。