投稿日:2021年11月12日
【SAPコンサルタントに求められる地頭力の鍛え方|地頭力は誰でも高めることができる!】
はじめに
近年の就職活動や転職活動において、「地頭の良さ」というものを見られることが多くなっており、特に頭脳で商売をするコンサルティングファームにおいてはその傾向が強くなっています。
そもそも、地頭とは何でしょうか。
最近になってよく使われるようになってきましたが、これは造語であり、本来そのような能力はきちんと定義されていませんし、本当に「地頭の良さ」というのが存在するのかも明確ではありません。
辞書で調べてみると、ペーパーテストが得意だとか、知識を豊富に持っているとかとは違い、「その人が持つ本来の頭の良さ」というものが出てきます。これだけを見てしまうと、もはや生まれつきの才能であり、努力次第ではどうしようもできないと思ってしまいますよね。
しかし、結論からお伝えすると、転職活動や仕事の中で求められ、世間で言われているような「地頭力」は、今からでも十分に磨くことができると考えています。
この記事では、地頭力があるかないかの議論はさておき、仮にそのようなものがあると仮定した場合に、そもそも地頭力とは何か、それをどう鍛えれば良いのかをお伝えしたいと思います。
コンサルティングファームで求められる「地頭力」を言語化し、求められる水準にまで高めていくことによって、SAPコンサルタントとして転職活動を有利に進めることができるだけでなく、通常業務においてもパフォーマンスを発揮することができるはずなので、是非とも参考にしていただけますと幸いです。
地頭力とは4つの要素から構成されている
地頭力は明確な定義がないのですが、敢えて定義するのであれば、次の4つの要素の掛け合わせであると考えています。
・瞬間的思考力
・論理的思考力
・簡潔に説明する力
・イノベーションを起こす力
例えば、簡潔に説明する力というのは、もし生まれつきの才能として定義してしまうと、子どもにそのような力はほとんど身についてしないですし、論理的思考力やイノベーションを起こす力においても、数々の知識の引き出しがなければその力を発揮することは難しいと思います。
逆を返せば、トレーニング次第、環境次第でこれらの力を磨くことは十分に可能であるともいえます。
では具体的に、それぞれの力が何か、どう磨いていけばよいかについてお伝えします。
地頭力の鍛え方①:瞬間的思考力
瞬間的思考力とは、0秒思考と言われることもあり、頭の中のアイデアをいかに短時間でアウトプットできるかを測ります。
SAPコンサルタントとして働く上で、問題を深く洞察するスキルはもちろん重要ですが、スピード感を持って対応することも同じぐらい重要となっており、頭の中のアイデアをスピーディに言語化してアウトプットしなければなりません。
このスキルを最も効果的に磨くのに適しているのは、ブレインストーミングでしょう。
マッキンゼーで長年活躍された方の著書で「ゼロ秒思考」が有名ですが、メモ書きを使ってこの思考力を鍛えるための方法が紹介されています。
テーマは何でも良いので、時間内になるべく多くのアイデアを言語化して書き出す訓練をしましょう。初めのうちは考えることに注力してしまい、なかなかアウトプットができないでしょうが、慣れてくれば何倍ものスピードでアウトプットできるようになります。
このスキルを鍛えることができれば、面接や仕事の中で想定外のことが発生した場合でも、アイデアを瞬時にアウトプットすることができます。
地頭力の鍛え方②:論理的思考力
論理的思考力がどのようなものかは何となくイメージ出来ると思いますが、これは鍛えようにも普段から意識していないと意外と難しいものです。
論理的思考力を磨くためには、仕事内ではもちろんですが、日常生活を送るうえでも、何かの事象に対してその根拠となるもの、なぜそうなるのかまでを考えるクセを身につけておくと良いでしょう。
例えば、「今年は冷夏の影響で野菜が高騰している」というニュースを見たとき、「そうなんだ」で終わるのではなく、なぜ価格が高騰しているのか、冷夏であることが栽培にどのような影響を与えているのかなどまで考え、「なぜならば」を答えられる訓練をすると良いでしょう。
仕事においても、「システムの運用コストを下げたい」というクライアントがいた場合、どう下げるのかだけでなく、そもそも現在の運用コストがどうなっていて、なぜコストが圧迫しているのか、運用のアウトソーシングしている業者へのコストが高すぎるのか、情シスの人件費が高すぎるのかなど、根本にある原因は何かをとことん考える癖を身に着けておくことをお勧めします。
地頭力の鍛え方③:簡潔に説明する力
いくら素晴らしいアイデアがひらめこうが、いくら問題の深堀をして原因を究明しようが、それを分かりやすく簡潔に説明できなければ理解してもらえません。
簡潔に説明する力を身に着けるために重要なことは、よく言われていることではありますが、やはり結論をまず伝えることがポイントです。
この「結論から伝える」というのは、簡単にできそうに思えますが、意外と多くの方が出来ておらず、結論に至るまでのストーリーをダラダラと話して、数分後にようやく言いたいことが出てくるため、結局のところは何がいいたいのかが分かりません。
これは、その場ですぐできるようなことではないので、日頃から何かを説明するシーンにおいて、結論から話し、続いてその根拠となる部分を話すことを意識しておくと良いでしょう。
その際にもう一つ重要なのは、いくら結論を先に話したところで、その後の根拠となる部分をダラダラと話してしまっては相手の集中力が途切れてしまうので、相手がどのような情報を求めているのかにフォーカスし、それに関することだけを簡潔に伝えられるようにしましょう。
地頭力の鍛え方④:イノベーションを起こす力
これは一般的にというよりも、コンサルティングファームへの転職で必要になってくるスキルとなりますが、既存のモノ・コトに囚われることなく、新しい発想でアイデアを生み出すことができるかというスキルです。
既存のモノ・コトに囚われてしまうと、教科書通りの正解しか提案することができなくなってしまいますが、それであれば極端な話をすると、クライアントがネットで検索して、その通りにやってみればよいだけなので、コンサルタントの介在価値が無くなってしまいますよね。
イノベーションを起こすとはどういうことかと言うと、分かりやすい例がセブン銀行です。
コンビニとして新しいことをしたいと思った際に、当時はコンビニが金融をやるなんていう前例が無かったために、金融業を始めるという発想には至らなかったと思います。
しかし、前例が無い全く新しいイノベーションを起こすことによって、今では大成功を納めていますよね。
イノベーションを起こす力を独力で磨くのはかなり難しいのですが、発想力やヒラメキが全てかというとそうではありません。いかに引き出しを多く持っているのか、そして、状況に合わせてその引き出しからどう提案していくのかがポイントです。
知識の蓄積が無いことには、ヒラメキすらも起こらないからです。
したがって、単純なところとしては、自身が携わる業界以外のビジネスニュースにアンテナを貼っておくのも良いでしょう。
また、例えば世の中でイノベーションを起こしている事業が、どういう発想や背景からそこに至ったのかを調べて見るだけでも、そこに様々なアイデアが眠っているはずです。
まとめ
今回の記事では、SAPコンサルタントが求められる地頭力が何か、そして、それを磨くためにはどうすべきかについてお伝えしました。
コンサルティングファームで求められる地頭力とは、次の4つの力が掛け合わさったものとなります。
・瞬間的思考力
・論理的思考力
・簡潔に説明する力
・イノベーションを起こす力
これらの力を磨いていき、いわゆる「地頭が良い人」と言われるようにしていきましょう。