投稿日:2021年9月1日
【SAPコンサルタントとして生き残れる人、落ちぶれてしまう人】
はじめに
SIerやシステム開発会社で、SAPエンジニアとして活躍していた方が、次のステップとしてコンサルティングファームのSAPコンサルタントへ転職するのはよくある話だと思います。
実際にSAPエンジニア出身者の方は、実装フェーズに対して知見を持っているために、SAPコンサルタントとしても高いパフォーマンスを発揮できていることが多いです。
一方で、SAPエンジニア時代には高い実績を上げていたにも関わらず、SAPコンサルタントに転職して数か月で去ってしまう方も少なくありません。
そもそもコンサルティングファーム自体、離職率が高いというのもありますが、特にSAPエンジニアから転職したものの、1年未満で退職してしまう方の割合は、非常に高くなっているのです。
SAPコンサルタントとして生き残れる人と、落ちぶれてしまう人にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回の記事では、SAPコンサルタントとして転職したものの、思ったような活躍ができないケースとして、よくある原因4つを紹介させていただきます。
もし、今後SAPエンジニアからSAPコンサルタントへの転職を考えている方がいたら、転職先で落ちぶれてしまうことがないように、是非今回の記事を参考にしてください。
SAPコンサルタントとして活躍できない方の特徴①:コンサルティングファームへの憧れだけで入社している
まずお伝えしたいのは、アクセンチュアやデロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティングを始めとする大手コンサルティングファームへの憧れが強すぎてしまい、とにかくそこで働くことに意義があるという理由で意思決定する方がいます。
しかし、残念ながらそれだけの理由でコンサルティングファームへの転職を決めた場合、入社後についていけなくなって落ちぶれてしまうケースが非常に多く、憧れだけで活躍できるほど甘くありません。
SAPエンジニアの方の多くが、「要件定義よりも上流から携わっていきたいから」という理由でコンサルティングファームを志望することがよくあります。
この理由は決して間違ってはいないですし、その通りなのですが、それだけしか見えていない、考えられていないとすると、恐らく入社後に思っていたことと違ったと感じてしまうでしょう。
「コンサルティングファームへ転職する=商流を上げる」というのはごく一部の側面でしかなく、SAPエンジニアと比べて、考え方も、働き方も、求められる成果も全く異なります。
それに対する理解や覚悟がないまま入社してしまうと、想像していた環境と違い、こんなに大変だとは思わなかったと後悔をしてしまう可能性が高いでしょう。
本記事ではSAPエンジニアとSAPコンサルタントの違いについての詳細な説明は割愛しますが、転職する上で非常に重要なことなので、転職前にしっかりと理解しておくことをお勧めします。
SAPコンサルタントとして活躍できない方の特徴②:コンサルティングファームは華やかな世界だと勘違いしている
コンサルティングファームに対して、煌びやかで、華やかなイメージを持っている方も多くいますが、そのイメージばかりが先行してしまうと、これもまた「思っていたことと違った」となってしまうので注意が必要です。
コンサルティングファームで働いている方に聞いてみると分かりますが、想像以上に、場合によってはSAPエンジニア以上に泥臭い仕事ばかりです。
具体的な業務内容はここでは説明しませんが、実際にコンサルタントとして活躍している方に、仕事の流れを細かく聞いてみると良いでしょう。
恐らく、イメージとは正反対で、そんなに細かい仕事をしているのかと思うはずです。
SAPコンサルタントとして活躍できない方の特徴③:コミットに対する意識が不足している
SAPエンジニアからSAPコンサルタントへ転職してきて、多くの方が壁にぶつかるのが、コミットに対する意識の違いです。
SAPエンジニアは、あくまでもシステムを要望通りに開発することが求められるために、何かしらの数字に対してコミットしなければならないという場面は少ないと思います。
もちろん、納期や予算などにコミットする必要はありますが、クライアントの経営数値目標などを見て仕事をすることはあまりないですよね。
しかし、SAPコンサルタントになってくると、ただSAPを導入しましたではクライアントは満足しません。
SAPを要望通りに導入することは当然のことであり、導入したから何なのかという点が重要になってきます。
「導入してみたものの、それほど経営数値に改善は見られないですね」では困ります。
何をどう改善するためにSAP導入をするのか、そして、それに向けてしっかりとコミットできるのか。これは想像以上に強く求められます。
「うまくいきませんでした」が許されない世界であり、何が何でもコミットをするという意識と姿勢が求められるので、そのギャップに苦しむ方は多くいます。
したがって、これも覚悟感の話になってきますが、SAPコンサルタントになるからには、コミットに対する意識を高めておかなければなりません。
SAPコンサルタントとして活躍できない方の特徴④:若手プロパー社員とのディスカッションで心が折れてしまう
SAPエンジニアとしてどれほど経験があっても、コンサルタントとしての経験値だけを見ると、新卒でコンサルティングファームへ入社している、社会人経験が若い社員のほうが高いことがよくあります。
したがって、時には議論で打ち負かされてしまうこともあるかもしれませんし、提案しようと思っている内容、システム設計の内容に対してダメ出しをくらってしまうこともあるでしょう。
そして、その状況が続いてしまうと心が折れてしまい、自分には向いていないのではないかと、コンサルティングファームを去ってしまう方がいます。
人によっては、何で社会人経験が浅い若手社員にそんなこと言われないといけないのかと憤りを感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、コンサルタントとしての仕事は転職して始めて経験することなので、出来なくて当たり前、ダメ出しされて当たり前なのです。
なので、そこは謙虚に受け止め、時には教えてもらうという姿勢も持たなければいけないでしょう。そうでないと、SAPコンサルタントとしては、いつまで経っても成長できません。
若手社員から指摘を受けたからダメだと思うのではなく、改善できるところはしっかりと改善していき、自分の成長に結び付けることができるのかが重要です。
まとめ
今回の記事では、SAPコンサルタントとして活躍できない人の特徴として、次の4つのケースをご紹介しました。
・コンサルティングファームへの憧れだけで入社している
・コンサルティングファームは華やかな世界だと勘違いしている
・コミットに対する意識が不足している
・若手プロパー社員とのディスカッションで心が折れてしまう
コンサルティングファームで結果を出すということは甘いものではないですし、SAPエンジニア時代よりも大変になります。
SAPコンサルタントとして活躍したいと考えているのであれば、相応の覚悟感を持ってコンサルティングファームへの転職を考えましょう。