投稿日:2021年8月23日
【SAPコンサルタントとしてワンランク上の成長を目指す人にお勧めしたい資格4選】
はじめに
SAPエンジニア、SAPコンサルタントが取得を目指す資格として最も有名なのは、SAPのベンダー資格である「SAP認定コンサルタント資格」です。
SAP導入に携わっている方のほとんどが認知している資格のため、詳細についてはここでは割愛しますが、SAP認定コンサルタント資格を取得していれば、特定の機能やモジュールなどに対して一定の知見を持っていると客観的に判断できます。
したがって、資格取得により、体系的な知識を身に着けられるのはもちろんですが、自分の経験やスキルを対外的にアピールすることもできるので、転職活動においても有利になることがあります。
SAP認定コンサルタント資格は、SAPコンサルタントとして活躍する上では取得しておいて損はない資格だと思います。
しかし、SAPコンサルタントとして第一線で活躍するためには、ただSAPについて詳しいというだけでは物足りないですよね。
顧客の経営課題や業務課題を解決するスキルや、顧客の業務知識など、システム面以外にも身に着けておきたい知識は多々あります。
これらに対しては、単純に何かしらの資格を取得すれば良いというわけではないと思いますし、第一線で活躍するSAPコンサルタントが全員資格取得をしているわけでもありません。
ただ、資格取得には、業務に必要となる知識を体系的に習得できるというメリットがあり、少なからずそこで得た知識を活かせる場面もあると思います。
そこで、今回の記事では、SAPコンサルタントとしてワンランク上の成長を目指すためにお勧めの資格を4つご紹介させていただきます。
SAPコンサルタントとして、今以上に成長をしたい、業務範囲を広げていきたいと考えている方は、是非とも参考にしてください。
SAPコンサルタントにお勧めしたい資格①:簿記2級
某大手コンサルティングファームにおいては、簿記2級を取得していない場合には、1年以内に取得することが求められます。
簿記2級程度の知識については、「知っておいたほうが良い」ではなく、コンサルティングファームにおいては、「知っていて当たり前」と考えられているほど重要なものであり、SAPコンサルタントとして従事している、もしくは、今後SAPコンサルタントとして活躍したいと思っている方は、最優先で取得を目指すことをお勧めします。
SAPコンサルタントは、SAP導入以前に、クライアントの潜在的な経営課題や業務課題を顕在化させることを求められます。
そして、企業の現在の状況を知るための1つの方法が財務諸表などを読んで経営状況を知ることであり、どこに課題があるかの仮説を立てることにも繋がります。
SAPエンジニアとして従事しているのであれば、財務諸表を読む機会も少ないため、それほど簿記の知識は必要ありませんが、SAPコンサルタントであれば、簿記2級程度の知識は必須と言っても良いでしょう。
SAPコンサルタントにお勧めしたい資格②:MBA(経営学修士)
まず前提として、MBAを取得すれば戦略コンサルタントとして即戦力で活躍できると考えている方もいますが、MBAを取得しただけでは戦略コンサルタントとしてのスキルは全く評価されません。
SAPコンサルタントとしても、MBAを取得しているからと市場価値が跳ね上がるわけでもありません。
コンサルタントとしての市場価値は、あくまでも実務での実績であるために、経営戦略における知識だけあっても、即戦力として活躍できることには繋がらないので注意しましょう。
それでも、なぜMBAの取得がお勧めかというと、取得しただけでは市場価値がさほど上がらないとしても、そこで得た知識を活用し続けることで実績が積みあがっていき、将来的に戦略コンサルタントとしても活躍できる可能性が高まるからです。
戦略コンサルタントを目指さないにしても、MBAで得た企業課題解決のフレームワークを活用することで、潜在的な経営課題や業務課題に対して精度が高い解決策の提案ができるようになり、新たな視点や観点から課題にアプローチできるようになります。
そうすることで、SAPコンサルタントとしての経験の幅も広がり、スキルアップにも繋がっていくのです。
まさに、MBAの取得はSAPコンサルタントとしてワンランク上の成長を目指す上でお勧めだと言えるのです。
SAPコンサルタントにお勧めしたい資格③:中小企業診断士
MBAの取得がお勧めであると先ほどお伝えしましたが、MBAを取得するには独学では不可能であり、大学院などに通う必要が出てきます。
時間やお金に余裕があれば問題ないのですが、そこまで工数をかけることができないという方も多いと思います。
その場合には、ある程度自分のペースで学習することができ、独学でも取得可能な中小企業診断士がお勧めです。
MBAとの違いとしては、MBAはディスカッションやケーススタディを通してより実践的な経営課題解決のアプローチを身に着けることができる一方で、中小企業診断士は企業経営、財務、法務、経済学など、企業運営に必要な知識全般を身に着けることができます。
実践的な知識という観点では、MBAを取得したほうがメリットはありますが、中小企業診断士においても、企業課題へアプローチするための必要最低限の知識は身に着けられますし、法務や情報システムなど幅広く知識をインプットすることができるので、取得していても損は無い資格です。
また、資格の名前にもなっているように、中小企業に対する経営課題解決の知識を身に着けることができるため、コンサルティングファームによっては大いに活用できる場面も多いはずです。
SAPコンサルタントにお勧めしたい資格④:TOEIC800以上
TOEICで点数が高いからと言ってビジネス英語を駆使して業務をできるというわけではないですし、会話ができることを保証する資格ではないので、最近ではTOEICの取得に対して懐疑的な見方があるのも事実です。
また、今回はTOEICを紹介しておりますが、英語力を身につけることができるのであれば、どのような資格を取得しても良いですし、そもそも資格も必要ありません。
ただ、英語ができるかどうかは、少なくとも日本企業、日本法人ではTOEICが判断材料になっていますし、そもそも自分がどれほどの英語力を持っているのかを知る指標にもなるので、今回はお勧めの資格として紹介しています。
なので、「TOEIC800以上を取得すべき」というよりは、「TOEIC800以上の人と同等の英語力を身に着けるべき」と考えていただくのが良いでしょう。
なぜ英語力が必要になるかというと、大規模なSAP導入案件においては、グローバル規模なものが多く、その仕事を遂行するためです。
某大手外資系ファームでは、案件の8割程度がグローバル案件であるために、英語ができないSAPコンサルタントにアサインできる案件がほとんどないと言っています。
したがって、英語ができないと経験できる案件も限られてしまうので、より成長をしていきたいと考えているのであれば、英語力は必須であると考えてください。
まとめ
今回の記事では、SAPコンサルタントがワンランク上の成長を目指すためにお勧めの資格として、次の4つをご紹介しました。
・簿記2級
・MBA
・中小企業診断士
・TOEIC800以上
なお、繰り返しになりますが、資格を取得したからと言って市場価値が大きく上がるわけではありませんし、あまり転職で有利になることもないでしょう。
しかし、資格取得で得ることができた知識は業務内でも大いに活用することができますので、是非とも時間に余裕があれば、これらの資格取得を目指してみるのも良いと思います。