投稿日:2021年6月22日
【SAPコンサルタントの究極の二択!会社で働き続けるべきか、フリーランスになるべきか】
はじめに
ITエンジニアのフリーランス化が進み、場所や時間にとらわれない自由な働き方が注目されていますが、SAPコンサルタントも例外ではありません。
まだ母数としては、ITエンジニアと比較すると少ないものの、SAPコンサルタントのフリーランス化が加速しており、企業側としてもフリーランスを利用して業務を遂行するケースが増加しています。
フリーランスが当たり前の時代になったのは、キャリアの選択肢を広げるという観点では良いことだと思いますが、一方で、新たな選択肢があるが故に、将来どのようなキャリアを歩むべきかに迷いが生じてしまうこともあると思います。
恐らくは、この記事に辿り着いた方の中にも、「フリーランスのSAPコンサルタントの働き方に興味があるものの、リスクが高くて手を出すことに躊躇してしまう」と考えている方がいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、SAPコンサルタントとして、このまま会社でプロモーションを目指すべきか、フリーランスになるべきかの二択について、メリット・デメリットを踏まえてお伝えしたいと思います。
是非とも、今後のキャリア形成の参考にしていただければと思います。
フリーランスのSAPコンサルタントを目指すのであれば、コンサルタント以上にプロモーションしてからがお勧め
結論からお伝えしますと、フリーランスのSAPコンサルタントを目指すのであれば、アアナリストやコンサルタントランクのうちはあまりお勧めしません。
フリーランスとして仕事を受ける場合は、今ある経験やスキルを活かすことができる仕事となります。つまり、原則は即戦力として活躍できる仕事でないと受けることは難しいのです。
裏を返せば、「今までに経験がないことにも挑戦してみたい」というのが通用しないのがフリーランスのSAPコンサルタントなのです。
これまでに会計領域でFI/COモジュールを経験してきて、次はSD/MMモジュールなどを経験できるSCM領域に挑戦したいと思っても、即戦力にならないので残念ながら門前払いをくらってしまいます。
理由は単純で、基本的にフリーランスのSAPコンサルタントに仕事をお願いするのは、自社のコンサルタントだけでは賄いきれないからであり、未経験のことに挑戦したいというだけなら自社の社員をアサインすれば済む話ですよね。
また、フリーランスに支払う報酬は、原則社員より高くなってしまうことが多く、高いお金を払ってまで未経験の仕事をお願いしようとは思いません。
つまり、この状況で何が起きるのかというと、これはフリーランスのSAPコンサルタントのデメリットにもなりますが、「新しい経験やスキルを身につけることができない」という事態に陥ってしまうので、市場価値は現状維持のままです。
もちろん、今のスキルを武器に多様な案件を経験すれば、その経験値を認められることはあります。
しかし、アナリスト、コンサルタントでフリーランスに挑戦するとどうでしょうか。
フリーランスで働くことになったとしても、それまでの経験に合う求人にしか参画できないために、難易度が高い、今後のスキルアップに繋がるような経験をすることは難しいですよね。
会社に勤めていれば、コンサルタント、シニアコンサルタントとプロモーションするために新しいことにも挑戦させてもらえますが、フリーランスでは顧客に育成義務はないので、いつまで経っても経験やスキルは現状維持のままです。
そうなってしまうと、参画できる案件が限られてしまう上に、報酬も上がっていきません。
そして、その状態で年次を重ねてしまうと、年齢に対して経験が弱いということで市場価値が下がってしまいます。
これはSAPコンサルタントに限らず、フリーランス全員に言えることですが、現職でも即戦力として活躍できる経験やスキルを、身につけてからフリーランスになったほうが良いのです。
SAPコンサルタントとして会社に勤め続けるメリットとデメリット
まずは、SAPコンサルタントとしてフリーランスにならずに会社で勤め続けることを選択したメリットとデメリットを紹介します。
メリット
・雇用の継続がある程度保証されているので、無収入に陥るリスクが低い
・スキルアップや成長に繋がる仕事にチャレンジすることができる
・できていないことも含め、上長からの評価をもとにPDCAを回して成長できる
・確定申告などの煩わしい手続きをしなくても済む
デメリット
・会社勤めなので、とにかく稼ぎたいという人にとっては報酬の物足りなさを感じる
・やりたくない仕事でも、会社から求められればやらなくてはいけない
・プロジェクト以外の社内的な仕事も多く、プロモーションするほどプロジェクトに集中できない
会社勤めで意外と大きなメリットなのは、悪い面まで含め上長からのフィードバックを得ることができるという点です。
フリーランスだと上長がいないので、「自分のためを思って厳しいことも言ってくれる」という存在もいなくなり、仕事のやり方などを改善する機会が減ってしまいます。
一方で、デメリットとしては、あくまでも組織の一員であることから、好きなことだけをやるということはできないということです。
会社に属している以上は、会社の利益貢献が最優先となるため、時にはやりたくない仕事でも、会社のためにはやらなくてはいけません。
SAPコンサルタントとしてフリーランスになるメリットとデメリット
次は、SAPコンサルタントとしてフリーランスになることを選択したメリットとデメリットを紹介します。基本的には会社に勤めることの裏返しになります。
メリット
・人によっては、現年収の2倍近くの報酬大幅アップが期待できる
・様々な企業の案件に参画することができ、やりたい仕事をある程度選択することができる
・SAPコンサルタントとしての業務に集中して携わることができる
デメリット
・雇用が不安定になるリスクがあり、スキルや経験次第では待機状態が続く可能性がある
・今までに経験がない新しいことに挑戦することは難しい
・数年間は社会的な信用が無くなってしまい、賃貸契約やローンを組むことが難しくなる
・確定申告など税に関する申請等を自分でやらなければならない
フリーランスのメリットとして最も大きいのは報酬面です。
単価がそのまま給与となるため、月200万円以上の単価の仕事に参画すれば、年収2000万円以上も十分に射程圏内に入ってきます。
一方で、やはりデメリットとなるのは社会的な信用も含め、不安定になってしまうリスクがあるということです。
一定の経験やスキルがあれば案件に困ることはありませんが、経験に偏りがある、実務経験が少ない場合には、よりそのリスクが高まってしまいます。
また、新しいことにもチャレンジしづらいという点においても、フリーランスになることのデメリットかもしれません。
まとめ
今回の記事では、SAPコンサルタントとして会社に勤め続けるべきか、フリーランスになるべきかについて解説しました。
高い報酬を得たいということであれば、フリーランスとして活躍することをお勧めしますが、それよりもキャリアアップをしていくことを重視したいのであれば、会社勤めが合っていると思います。
特に、アナリスト、コンサルタントランクのうちは、フリーランスになるメリットがそれほど感じられないので、シニアコンサルタントにプロモーションするまでは会社勤めをして、それからフリーランスになることを考えるのが良いでしょう。