投稿日:2021年4月12日
【SAPコンサルタントとしてのプロモーションに限界を感じたら~「社内政治」は「悪」ではない~】
はじめに
SAPコンサルタントとして働く上で重要になってくるのがプロモーション。つまり、次の職位へ昇進することです。
「Up or Out」という言葉があるように、コンサルティングファームで働いている以上は、常に上の職位を目指していく必要があり、今の職位に留ってしまうと、企業によっては必要の無い人材であると思われてしまう可能性もあります。
職位が上がれば責任ある仕事を任されるのはもちろんですが、給与レンジも大きく変わるため、できることならコンスタントにプロモーションしていきたいところです。
しかしながら、特に大手コンサルティングファームにおいては、どれだけ成果を上げてもマネージャー以上にプロモーションできないという事態が発生しているのが現状です。
そこで今回は、なぜ成果を上げてもプロモーションできないのかについて、その理由をお伝えするとともに、SAPコンサルタントとしてプロモーションに限界を感じた時、どのコンサルティングファームへ転職すべきなのかについてお伝えしたいと思います。
なぜ成果を上げてもプロモーションできないSAPコンサルタントがいるのか
SAPコンサルタントとして成果を上げていれば、恐らく多くの場合、シニアコンサルタントまではそれほど障害もなくプロモーションできるのではないかと思います。
一方で、ただ成果を上げているだけでは、マネージャーにはなれないというのもよく聞く話ではないでしょうか。
上が詰まっていてなかなかプロモーションできないこともありますが、場合によっては「社内政治」によってプロモーションができないということもあるのです。
そもそもSAPコンサルタントは、営業職のように成果を数値化することが難しいために、何をすればマネージャーにプロモーションできるのかが明確ではありません。
評価項目自体は言語化されていたとしても、実際にその評価をする際には定性評価になってしまうことが多いです。
そうなると、成果を上げること以外に、どうしても避けて通れないのが「社内政治」であり、プロモーションするためには対クライアントの業務をこなすだけでなく、対社内の動きにも気を配らなければなりません。
そのため、仮に同一の評価を得ているSAPコンサルタントがいたとしても、社内政治を上手くできたかどうかが最終的な判断の分かれ目となり、上手く立ち回ったほうがプロモーションされるということがよくあります。
したがって、今の会社でSAPコンサルタントとしてマネージャー以上を目指したいのであれば、常に社内にも目を向けておかなければならないのです。
ここまで、「社内政治」についてお伝えしてきましたが、誤解がないようにお伝えしますと、「社内政治=悪」ではないということです。
もし、「社内政治=媚を売ること」と思って行動することに抵抗があるのであれば、その先入観は捨てたほうが良いでしょう。
「社内政治」という言葉を聞くと、上の人間に気に入られるために、例えば太鼓持ちをすることや、様々な根回しをしてありとあらゆることをするという印象を持つかもしれませんが、コンサルティングファームでいうところの社内政治とはそれとは全く違うので注意しなければなりません。
むしろ、太鼓持ちをしたところで、自分に実力がなければプロモーションに何も影響はないと思っても良いでしょう。
コンサルティングファームで必要な社内政治とは、次の3つの行動を指すと考えています。
・高い成果が出せる人であると示すこと
・良好な人間関係を築くこと
・希望しているキャリアや業務内容を伝え続けること
当然のことながら、成果を出せない人をプロモーションさせようとは思わないでしょうし、いくら成果を出せる人でも「この人とは働きたくない」と思われてしまってもいけないですよね。
そしてもう一つ、意外と重要なのは自分の希望を常に伝え続けることであり、マネージャーを目指したいのであれば、それを社内にもアピールすることが必要となります。
考えてみれば当然のことで、黙っていてはプロモーション候補には上がってこない可能性が高くなってしまいます。
プロモーションさせる側としても、本気でそれを頑張りたいと思って行動している人を応援したくなるのです。
したがって、成果を出しているのになぜかプロモーションできないSAPコンサルタントの方は、もしかしたらプロモーションして頑張りたいということを、伝えられていないのかもしれません。
さて、ここまでプロモーションができない理由について、簡単ではありますがお伝えさせていただきました。
しかし、そこまで社内政治することに抵抗あるという方もいれば、既に社内政治はしているはずなのにプロモーションされないと悩んでいる方もいると思います。
そこで、理屈は分かっているものの、SAPコンサルタントとしてのプロモーションに限界を感じている方は、どのように問題を解決すべきなのかについて説明したいと思います。
転職することでプロモーションする可能性は高まる
SAPコンサルタントとしてのプロモーションに限界を感じてしまったということであれば、転職をするという選択肢が出てくると思います。
実際に転職することによってプロモーションに成功した人は意外と多くいます。
ここでは、プロモーションをするための転職先として考えられる2つの選択肢についてお伝えします。
1.同業他社のコンサルティングファームへスライドする
大手コンサルティングファームでも、会社によってプロモーションの基準には大きな違いがあります。
実際の転職活動においても、あるコンサルティングファームではシニアコンサルタントとして内定が出たものの、別のコンサルティングファームではマネージャーとしてのオファーが出ることは少なくありません。
またコンサルティングファームでは、転職によってマネージャー以上が抜けてしまうというケースもよくあるため、タイミングが上手く合致すれば、空いたマネージャーの椅子に座ることも可能となります。
入社後すぐにマネージャーのポジションを用意されなかったとしても、1,2年後にマネージャーになる前提で、まずは業務に慣れてもらうという観点からシニアコンサルタントから入ることもあります。
大手コンサルティングファーム間での転職においては、業務内容自体は転職してもそれほど変化はないかもしれませんが、プロモーションの観点ではメリットが大きいことがあるので、一度転職活動をすることによって、どの職位でオファーが出るのかを見定めてみるのも良いかもしれません。
2.スタートアップのコンサルティングファームへ転職する
同業他社のコンサルティングファームへ転職するよりも、プロモーションの確実性が増すのが、スタートアップのコンサルティングファームへの転職です。
スタートアップ企業では、まずはマネージャー以上で組織体制を整えていき、その後にメンバーを採用する動きをとることが多いため、マネージャー以上の採用を最優的に行っているところがよくあります。
大手コンサルティングファームからマネージャーを採用することができれば問題ないですが、マネージャー以上にもなってくると、なかなか社格を落とすことや、リスクを取ってでもスタートアップ企業へ転職するという選択肢は少なくなります。
そのような背景があるため、企業としては無理にマネージャーを採用するのではなく、「シニアコンサルタントクラスで、マネージャーを任せることができそうな方」をターゲットにすることがあります。
したがって、社格や案件規模よりもプロモーションしていくことに拘りがある方は、スタートアップのコンサルティングファームへ転職することも選択肢として入れておくことをお勧めします。
まとめ
今回の記事では、プロモーションにフォーカスし、成果を上げているのにプロモーションできないのは、社内政治が関係している可能性についてお伝えしました。
もし社内政治をやってこなかったという方がいれば、社内政治は決して悪いことではないため、転職を考える前に一度社内への動きに注力してみるのも良いと思います。
もし、それでもプロモーションが難しそうであれば、大手コンサルティングファームへ職位を上げてスライド転職する、もしくはスタートアップのコンサルティングファームでマネージャー以上での採用を目指していきましょう。