投稿日:2025年6月5日
年代別SAPエンジニアが目指すべきキャリアとは(20代、30代、40代)
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【コラム監修者 プロフィール】
クラウドコンサルティング代表取締役 岸仲篤史
新卒でSAPジャパン株式会社に入社。
SAPジャパン在籍中にCOコンサルとして従事したことで、会計コンサルの面白さに目覚め、
大和証券SMBC株式会社 投資銀行部門、新日本有限責任監査法人、アビームコンサルティングにて、
一貫して約10年間、会計金融畑のプロフェッショナルファームにてキャリアを積む。
その後、2017年クラウドコンサルティング株式会社を設立し、SAPフリーランス向けSAP free lanceJobsを運営し、コラムの監修を手掛ける。
https://www.facebook.com/atsushi.kishinaka#
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はじめに
SAPエンジニアは今後需要が高まる分野で、その背景には2027年問題が関係しています。
この記事では、年代別にどのようなキャリアが求められているのかを解説します。
具体的には、20代、30代、40代のSAPエンジニアが目指すべきキャリアを紹介。
さらに、技術力がないとマネジメントやコンサルティングができない理由も明かします。
それぞれの年代のSAPエンジニアがどのようにキャリアを構築すべきか、そしてそれがなぜ読者の興味関心に応えるのか、この記事で解説します。
今後需要が増えるSAPエンジニアとその背景にある2027年問題
SAPエンジニアの需要が今後増加することは、業界で話題になっています。
この背景には、2027年問題と呼ばれる現象が関係しています。
2027年問題とは、SAP SE社が2027年までにSAP ERPのサポートを終了し、SAP S/4HANAへの移行を推進していることです。
企業の多くは、SAP ERPに依存しているため、この移行が大変重要な課題となります。
理由のひとつは、SAP ERPのサポート終了に伴い、セキュリティリスクやシステムの安定性が懸念されるからです。
移行を行わないままでは、将来的にシステムトラブルや販売・生産活動への影響が出ることを避けられないと言われています。
また、SAP S/4HANAは、従来のSAP ERPに比べ、データ処理速度が格段に向上するため、企業活動の効率化や業務改善のためのアプリケーション開発が促進されます。
企業は、新たなシステムを導入することで、競争力を維持しつつ経営資源を有効活用できます。
S4への移行に伴い、今後は以下のようなエンジニアが求められる流れができることが想定されています。
・SAP S/4HANAに関する専門知識を持ったエンジニア
・既存システムからSAP S/4HANAへの移行プロジェクト経験者
・新たな業務改善アプリケーション開発能力を持つエンジニア
結論として、2027年問題を背景に、SAPエンジニアの需要が今後増えることが予想されます。
企業にとっては、移行プロジェクト成功のカギを握る人材が、重要なポジションを占めるでしょう。
SAPエンジニアとして評価されるキャリアとは?
SAPエンジニアとして評価されるキャリアは、技術力だけでなく、専門知識やプロジェクトリーダーシップも重視されます。
まず、専門知識とは、SAPシステムの基本的な機能について理解し、ABAPやJavaなどのプログラミング言語、モジュール別の専門スキルが求められます。
これにより、企業の業務改善やシステム最適化などに対応できるエンジニアとして活躍することができます。
また、プロジェクトリーダーシップは、SAPプロジェクトにおいて、チームを組織し、タスク管理や進捗報告、ステークホルダーとの調整などを円滑に行う能力です。
SAPプロジェクトは大規模なものが多いですが、プロジェクトが大きくなればなるほど、効果的なコミュニケーション能力やリーダーシップスキルを持った人材は重要視され、プロジェクトの命運を握る立場となります。
具体例としては、以下のような実績が評価される傾向にあります。
・大規模なSAP導入・移行プロジェクトでのリーダー経験
・SAP認定コンサルタントの資格取得
・モジュール別の専門知識を活用した業務改善実績
・経営陣へのプロジェクト提案実施
さらに、引き続き技術的なスキル(プログラミングやデータ解析)や、SAPの最新トレンド(クラウドやAIなど)へのキャッチアップも注目されます。
アップデートされるテクノロジーや市場状況に対応できる能力も評価されます。
結論として、SAPエンジニアとして評価されるキャリアは、専門知識やプロジェクトリーダーシップ、技術力、最新トレンドへの対応力を兼ね備えた、総合的なスキルセットが求められるといえます。
20代のSAPエンジニアは様々なモジュールやアドオンに触れ技術力を伸ばすべき
SAPエンジニアは、企業の業務プロセスを効率化し、業績向上に寄与する重要な役割を担っています。
そのため、技術力の強化が求められる。
特に20代の若手エンジニアにとっては、将来性が高く、柔軟な発想で新しいアイデアを生み出せる立場であるため、幅広いモジュールやアドオンに触れることで、技術力を向上させることが重要である。
以下にその理由を示します。
まず、様々なモジュールに触れることで、将来の業務拡大に対応することができます。
SAPは多くの業務領域をカバーしており、様々な業種・業界で導入されていますが、若手エンジニアが幅広い分野に精通することで、企業のSAP導入プロジェクトに貢献できるだけでなく、競争力のあるエンジニアとして市場価値を向上させることが可能となります。
次に、多様なアドオンに触れることで、独自のソリューションを提案、提供できるようになりますし、効果的なアドオンを選択し、活用する能力は、顧客への価値提案力を高めるために必要です。
そのため、若手エンジニアはアドオンに精通することで、企業の競争力を向上させる貢献ができるでしょう。
また、幅広い技術知識は、将来のキャリアパスを拓くために役立ちます。
例えば、マネージャーやプロジェクトリーダーに昇格するためには、多くのプロジェクトやチームで経験を積む必要がありますが、幅広い技術力を持つことが、昇進やキャリアアップのチャンスを広げることにつながります。
総じて、20代のSAPエンジニアは様々なモジュールやアドオンに触れ技術力を伸ばすべきである。
これにより、市場価値の向上や独自のソリューション提供能力、およびキャリアパスの拡大が期待できます。
20代のSAPエンジニアは自身の専門分野を決めて上流工程を目指すべき
一方で、20代のSAPエンジニアは、自身の専門分野を確立し上流工程を目指すべきである。
SAPエンジニアは、顧客の要望に応じて業務プロセスを改善する役割を担っており、そのためには専門知識が不可欠である。
以下にその理由を示す。
まず、専門分野を持つことで、顧客の課題解決力が向上する。
顧客企業は、業務プロセス改善を実現するために、SAPエンジニアに期待している。
専門分野を持つエンジニアは、その分野に関する最新情報やトレンドを把握することが可能であり、顧客からの信頼を得ることができる。
次に、専門分野を持つことで、自身の市場価値が向上する。
専門知識を持つエンジニアは、競合他社に差別化を図ることができ、より良い条件で採用される可能性が高まる。
また、専門分野を持つことは、スキルアップや幅広いスキルの習得に優先して行うべきである。
また、上流工程を目指すことで、将来のキャリアパスが広がる。
上流工程のエンジニアは、システム要件定義や設計などのプロジェクト立ち上げから関与することが多く、より高い報酬や評価を受けることが期待できる。
また、プロジェクトマネジメントやリーダーシップスキルも身につけることができ、将来のキャリアアップに役立つ。
総じて、20代のSAPエンジニアは自身の専門分野を決めて上流工程を目指すべきである。
これにより、顧客の課題解決力や自身の市場価値が向上し、より幅広いキャリアパスが開けると考えられる。
40代のSAPエンジニアはマネジメントや超上流工程に携わるべき
40代のSAPエンジニアは多くの経験と実績を持っているため、マネジメントや超上流工程に携わるべきである。
理由としては、マネジメント能力を活かせること、経験を活用して業務効率を向上させること、後続の人材育成に貢献できることが挙げられる。
具体例として、プロジェクト管理やリーダーシップ、チームビルディングのスキルを活かすことができる。
また、過去の成功事例や失敗例を踏まえ、より効果的なプロセス改善を行うことができる。
さらに、若手エンジニアへの指導やメンタリングを通じて、人材育成に貢献することも可能である。
技術力がないとマネジメントやコンサルティングができない理由とは?
技術力がないとマネジメントやコンサルティングができない理由は、以下のとおりである。
・業務知識の不足:技術力がないと、プロジェクトの内容や現場の課題を把握し難く、適切な意思決定やプロジェクト管理ができない。
・クライアントやチームメンバーとのコミュニケーション:技術力がないと専門用語を理解できず、適切なアドバイスや支援ができないだけでなく、信頼を損ないかねない。
・問題解決力の低下:技術力がないと、問題発生時に適切な解決策を見つけ出し難く、プロジェクトの遅延や品質低下につながる可能性がある。
・競争力の低下:技術力がないマネジメントやコンサルタントは、競合他社と比較して劣位に立たされ、ビジネスチャンスを逸する可能性がある。
このように、技術力が不十分な場合、マネジメントやコンサルティングがうまく機能しないリスクがある。
各年代別のまとめ
20代は技術力の習得に専念し、30代は業務知識や専門性を深めることが重要である。
40代はマネジメントや超上流工程へ移行し、若手育成やプロジェクト管理に力を入れるべきである。
それぞれの年代で役割が異なるが、一貫して技術力を磨くことが必要であることが分かる。
次のステップとして、自分のキャリアステージに合ったスキルや知識を獲得するために、適切な研修や資格取得を検討してみることがオススメである。