投稿日:2022年5月11日
【ワークライフバランス重視のSAPコンサルタントは不要!?面接官から見た不採用にしたくなる人とは?】
はじめに
昨今、大手外資系コンサルティングファームにおいても残業時間の多さが問題となり、ニュースで報道されていたものを見た人も少なくないと思います。ひと昔前だったら、不夜城とも言われ、深夜残業が当たり前だった企業もありましたが、コンサルティングファームにも働き方改革の波が来ており、今は残業時間をいかに抑制して生産性を上げていくのかに焦点が当てられています。
一方で、全ての会社が残業時間の抑制に成功しているかというとそうでは無く、残念ながら現在でも残業時間が100時間を超えてしまうケースも時折見かけてしまうのも事実です。
そして、そんな会社で何年も働いていたら身体がもたないと思い、ワークライフバランスを取れることを重視して転職活動を始める方もよくいます。
それに伴い、企業側としても、ワークライフバランスを取れることを全面的に打ち出し、求職者へアピールするところも増えています。
しかし、ワークライフバランスを取れますと打ち出している企業に対して、「御社を志望したのは、ワークライフバランスを取って活躍したいと思ったからです」と答えてしまうと、そのような考えの人は不要だと思われてしまい、不採用になるケースがよく発生しているのをご存じでしょうか?
ワークライフバランスを取れると言っているのに、それを求めたら不採用になってしまうというのは、大きく矛盾していますよね。
なぜこのような矛盾が生じてしまうのでしょうか?企業がウソをついているのでしょうか?
そこで、今回の記事では、現場面接官の視点から、なぜワークライフバランスを取ることを重視する人を不要に感じてしまうのかをお伝えしたいと思います。
そもそも本当にSAPコンサルタントがワークライフバランスを取れる企業は存在するのか
常に忙しい環境で働いていると、SAPコンサルタントは忙しいものであり、どの会社も同じではないかと思ってしまいますよね。
そのため、「弊社のSAPコンサルタントの平均残業時間は20時間以内です!」とか、「弊社のSAPコンサルタントは定時帰りすることもよくあります!」という言葉を耳にしても、さすがにそれは無いのでは?と疑いたくなってしまうと思います。
しかし、結論としては、本当にワークライフバランスを取りながら活躍するSAPコンサルタントが多い会社も存在するのは事実です。
ある企業では、時期によっては稼働が上がってしまうケースが多いものの、コンサルタントの平均残業時間を取ると20時間を満たないという結果が出ています。
その企業がなぜ残業時間を抑えられているかというと、大規模案件を獲得しないことを戦略に入れているためです。基本的には3ヶ月から6ヶ月程度の案件を中心に回していくので、スケジュールが立てやすいのはもちろんですが、仮にトラブルが発生した際にもリカバリーが効きやすいからです。
大規模案件では1つのトラブルをリカバリーするのは非常に大変なことであり、稼働時間が跳ね上がってしまうこともありますが、敢えて大規模案件を獲得しないという企業では、意外とワークライフバランスが取れるものです。
また、それ以外の企業においても、SAPの新規導入ではなく、運用保守案件を中心に獲得しているために、ほぼ毎日定時帰りができているというところもあります。
そこでは、運用保守対応時間を明確に決めており、時間外作業は別の企業へ委託しているため、急な呼び出しも基本的にはありません。
このように、SAPコンサルタントが活躍できる企業であっても、探してみれば本当にワークライフバランスを取ることができているところもあるので、コンサルタント=激務という構図は必ずしも成立しないのです。
ワークライフバランス重視の求職者を不採用にする理由とは?
先ほど挙げたように、SAPコンサルタントがワークライフバランスを取って活躍できる企業は存在しますが、一方で面接時にそのことを話すと不採用になる可能性もあります。
なぜこのような矛盾が発生してしまうのでしょうか?
実際にワークライフバランスを取ることができる企業の責任者で、面接官としても選考に携わっている方に話を聞いたところ、「クライアントへのコミットメントに対して不安要素があるため」とのことでした。
どういうことかと言うと、コンサルタントの価値というのは、クライアントの目標達成に向けたコミットメントであり、”必ず”結果を出さなければなりません。
どの仕事でも結果を求められますが、コンサルタントは単価を見ても他職種よりも非常に高いため、クライアントは相応の成果を求めます。
しかし、コンサルタントの仕事も、全てが順調に進むとは限りません。
結果をなかなか出せていない状況になってしまったら、どうすれば結果を出せるのかを考え、リカバリーしていく必要がありますよね。
その際に、一時的だとしても、クライアントの目標達成を絶対にするために稼働が上がってしまうケースがあります。
そんな中で、「私はワークライフバランス重視なので、残業はあまりしたくありません」という求職者がいたら、どう思われるでしょうか?
面接官からすると、「一時的にでも、稼働が上がってしまうケースが発生したら辞めそうだな」とか、「自分の働き方しか考えていないから、コンサルタントとしてのマインド(クライアントにコミットすること)に不安を感じるな」と思われてしまう可能性が高いです。
基本的に残業時間を抑えられている企業であっても、何が起きるかは分かりません。
そして、何かが起きたときに、責任を持って対処できるかは採用する側としては重視したいところです。
もちろん、ワークライフバランスを重視したいという思いを否定するものではないですし、各々の生活スタイルもあるでしょうから、残業時間を抑えたいと思うのも普通なことだと思います。
しかし、そればかりが前面に出てしまうと、採用する側は不安に感じてしまいます。
ワークライフバランスを取ることができるというのか、結果的にそうであるということであり、コンサルタントとして重要なことは、あくまでも「クライアントにコミットすること」であると覚えておきましょう。
どうしても残業時間を確認したいのであれば、内定を得てから確認することをお勧めします。
まとめ
今回の記事では、ワークライフバランスを取りたいSAPコンサルタントが、それを前面に出してしまうと不採用となってしまう可能性があることについてお伝えしました。
実際にSAPコンサルタントとして働く場合、ワークライフバランスが取れる企業はあります。
しかし、それを目的としていると、コンサルタントとしてのマインドに不安を感じてしまい、クライアントにコミットしてくれないのでは?と思われて不採用になってしまうことがあるので注意が必要です。
コンサルタントの仕事は、あくまでもクライアントにコミットすることです。
それを忘れないようにしておきましょう。